オンラインゲーム社会に潜む、RMT問題を考察

オンラインゲーム社会に潜む、
RMT問題を考察

インターネットの普及によって活性化された業界の1つであるオンラインゲーム、そこで日夜繰り広げられている違法行為『RMT(リアルマネートレード)』を知っているだろうか?ゲーム内のアイテムなどを現実のお金で取引する、この行為は現在まで大変問題視されている。そんなRMT問題について、このサイトではその概要などに触れながら問題点を言及するサイトである。

法律上から見たRMT問題

法律上から見たRMT問題

法律で裁くことが出来るか

ゲーム内のアイテムなどを現実のお金で取引することをRMTと呼んでいるが、こうした行為そのものが問題視されているオンラインゲームを実際に現行の法律で裁くことが出来るかどうか、といった点については非常に気になるところでもある。ただそこまで大げさに法律を用いてまで騙した相手に報復してやろうと考えている人の数は、実際そこまで多くないと思う。先に話したようにこのようなRMT被害は今に始まったことではなく、何度となく誰かに騙された経験があるという人もいるかもしれない。

だが騙されたとしても、それで現実の自分にどのような被害を受けるのかと聞かれたら、実質何千円といった額の被害だ。人によっては問題にするべきことには変わりないと思う、中国の業者にすれば日本円の何千円は価値のあるものとなっているため、それ目的に数をこなして行く詐欺行為を繰り返しているのが、このRMTにおける手法なのかもしれない。平たく言えば結局ろくでもないことをしているとはっきり断言できてしまう点は変わらない。

ただこうした取引に関してだけいうなら、あまりメーカーがしていることと変わらないだろうと思っている人も少なからずいるだろう。その点についてはまた別の項目で詳しく述べたいが、企業が介入しないユーザー同士の取引はあくまで個人間による自由取引であるという経済的観点から見た行為となっているため、実のところ法律ではRMTそのものに対して正式な法の裁きを与えるまでに至るには、よほどの数をこなしている、もしくは他のオンラインゲームでアカウント一時停止措置になりながらも、懲りずにRMTをしているといったかなりの要注意人物レベルになれば、可能性はある。

法律規制も難しい

RMTそのものを本格的に法律を伴った規制を用いて欲しいと考えているのは、企業としても同様だろう。だが実際に法律としてRMTを規制するというやり方は、実現させる事はかなり難しいと考えられている。その理由として、RMTという行為そのものが自由経済の一種、つまり個人間とはいえ経済の循環に属している流れを方によって規制していいのかどうか、といったことにも関係してくる。もちろんここで詐欺行為をすれば詐欺罪として訴訟を起こすこともできるだろうが、個人間でのこうしたやり取りをせき止める事は困難となっている。

ではどのようにしたら法的な制限を課すことが出来るのかと考えた際、『ゲームを改変しているかどうか』といった点によって法律における効果を引き出せるかが、大きな鍵だ。個人としてではなく、あくまで運営されているオンラインゲームの根幹を揺るがす問題として扱えるかどうか、というところに焦点が当てられる。これは既に現行の法律においても定められているものがあり、それは著作権法第20条・著作者人格権の1つである『同一性保持権侵害』に該当するかどうかで、法的な規制を実現させられる。

ゲーム上の改変が行われた例として

この同一性保持権侵害という点についてだが、一番顕著な例として上げられるのは恋愛シミュレーションゲームの元祖とも言うべき存在である『ときめきメモリアル』の、主人公のパラメータを最高値に書き換えるメモリーカードが販売されていた事案などが最もな例だ。本来なら低いパラメータ値を挙げてヒロインとのエンディングに向けて行うはずが、最初からゲームの根本たるシステムを逸脱したチートシステムだったこともあり、法的にメモリーカードを販売した企業にはこの『同一性保持権侵害』として認めたケースがある。

またこのときめきメモリアルについてはこのメモリーカードの問題だけではなく、メインヒロインと主人公がラストの告白シーン後に伝説の木の下で性行為を行うというとんでもないアダルトビデオが発売されるといった問題も出てくる。これもまた同一性保持権侵害に該当するものとして、販売停止措置という法的な効果を及ぼすことに成功した。

このように、ゲームそのもののシステムを改変しかねない問題ならばときめきメモリアルのように手段を講じることも出来るかもしれないが、プレイヤー同士で行われる資金やアイテムの調達を簡易化することが、オンラインゲーム全ての根本を逸脱するかどうかと聞かれたら、微妙なところだ。例えばオンラインゲームのイベントでしか出現しないといった稀少なアイテムを容易に入手できるといったチートが行われていれば、多少なりとも適応されるかもしれない可能性はあると見ることが出来るかもしれない。

しかし現行の法律ではRMTそのものを抑制することが出来る法律は、日本では不可能だと言い切ってしまえるところが、少し悲しいところだ。

対策としては

法律で制限しようと思えば出来ないこともないが、RMTといった個人間でのやり取りになれば法律を用いた規制はあまり期待できないと考えた方がいい。ではどうしたらいいのかと言うと、期待されているのはゲーム業界、つまりは各運営会社がそれぞれ取り決めを交わすなどした共通の対策、またはここの企業においてRMTに対しての積極的な規制などを進めていかなければならないということだ。そうなると先ほどのアカウントの停止といった措置などが該当するところだ。この取り決めはあくまで企業がゲームを健全に、そして正しく、楽しくプレイしてもらうために敷かれる規定となっているため、法的な力はほとんど孕んでいない事を追記しておく。規約に書かれているから厳しい罰則が期待できるという物ではなく、あくまでガイドラインとして運営がそうした気配を察知したら対処するという、その程度でしかないということだ。

RMTを本格的に規制したいと考えているならば、まずはゲーム業界全体が率先していけば情報として世間にも知られることとなる。そうすればこうした問題を解決するために何が出来るのかと、政治を動かすことも出来るかもしれない。